「期待以上のものをお渡ししたい。ただ、それだけなのだ」|トッププロ・ひろかわトシさん

【トシさんは、マッキーマジック0期生。まだカリキュラムも手探りで、現像は軽く伝える程度、構図の型もありませんでした。今振り返ると、0期のみんなは本当によくついてきてくれたな、と思います】

受講生のカメラを一緒に確認しながらアドバイス。卒業後は、後輩たちの実習を支える側にもなりました。

先日、比較的重い案件の納品が終わった。

某企業のホームページリニューアル用に、108項目の写真を撮影する仕事だった。

当然、1日では撮りきれず、撮影は2日間に及んだ。
1項目につき20〜100カット程度。データの量もそれなりだ。規模も責任も、いつも以上に大きな案件だった。

しかし、ひとつの納品が終わっても、すぐさま次の撮影の準備をしなければならない。

バッテリーを充電し、カードをフォーマットする。カメラの時刻をすべて合わせ、センサーのゴミを取り、レンズの埃を取る。

次に、必要なものを考える。

レンズは何を使う?
ストロボは要るのか?
要るとしたら、ソフトボックスなのか、アンブレラなのか?
三脚は要るのか?

事前に現場を見ることができれば、準備はもっとスマートにできるのかもしれない。しかし企業案件では、事前に現場を確認できる機会はほとんどない。

少ない資料や、いただいた撮影仕様書、ホームページなどから推測して想像を膨らませ、あらゆる場面に対応しなければならない。時には建物の平面図から距離を割り出し、レンズの画角と照らし合わせることもある。

それでも当日、現場を訪れると、想定外の状況に出くわすことは多い。

集合写真を撮る場所の目の前に、資材が山積みになっていたこともある。壁一面が真っ青で、色かぶりを避けられないこともある。金物に周囲のすべてが写り込んで、頭を抱えたこともある。

それでも、なんとか工夫して乗り切る。
すると、また次のお声が掛かる。
なんともありがたいことだ。

すかさず機材の準備をし、撮影のイメージを膨らませる。

何が要る?
どうやって撮る?

撮影日まで、毎日、毎日考える。空いている時間は、ほとんど準備、撮影、現像に使っている。遊ぶヒマもないし、趣味の写真を撮るヒマもない。文字通り、休みなしで働く。

現像は丁寧に行う。
それでも、可能な限り当日か翌日には納品するよう心掛けている。

データをお渡しして、おしまいではないからだ。

クライアントは、そのデータを使ってホームページを制作する。ポスターやフライヤーを制作する。エンドユーザーにお渡しする。

撮影は、プロジェクトのほんの一部でしかない。
クライアントにも納期がある。その進行を妨げてはならないのだ。だから、撮ったらすぐ現像する。

ノートPCは毎日持ち歩いている。5分でも時間が空いたら、1枚でも現像する。

現像が早く終われば、チェックする時間にも余裕ができる。最低3回は見直す。見直すと、気が付くことが実に多い。

撮るものは、プロフィール写真とは限らない。風景もあれば、建物もある。ブツ撮りもあるし、イベントを丸ごと撮ることもある。

ご予算の都合で、限られた条件の中で撮影することもある。でも、工夫する。

期待以上のものをお渡ししたい。
喜んでもらいたい。
ただ、それだけなのだ。

やることがたくさんあって、毎日が忙しい。ゆっくり寝たいし、たまには飲みにも行きたい。

だけど今は、こんな生活が楽しくてしょうがない。

自分の写真を喜んでもらえる。
自分が撮った写真が、企業のホームページに載る。

「やっていて良かった」
そう思える瞬間だ。

積み重ねてきた撮影と仕事の実績が評価され、「トッププロ」に認定。

もともと写真は、趣味の範囲を超えたことがなかった。

花を撮ったり、景色を撮ったりするだけで、RAWで撮影したこともなければ、もちろん現像をしたこともない。

マッキーマジックに興味を持ったのは、ちょうどその頃、ポートレートを撮り始めていたからだった。

しかし、ビジネスプロフィール写真はまったくの別物だった。

なんとか講座は卒業したものの、「さて、次は何をしたらいいのだろう?」
まったくの未知の世界だった。

それでも、ここまで幅広い撮影ができるようになったのは、卒業後のフォローアップがあったからだと思う。

マッキーさんには、撮影だけでなく、仕事として必要なことを何でも聞けた。
何でも相談することができた。

マッキーマジックは、講座を卒業して終わりではない。

その後の実践が、実戦で生きてくるのだ。

マッキーさんのアシスタントをしたり、次の期の講座では受講生のフォローをしたりする機会もある。
私が講座で学んだ内容を、本当の意味で咀嚼できるようになったのは、正直、こうした実践を経験できたからだと思う。

卒業した直後は、何からどう始めればいいのか、まったく分からなかった。
すぐに仕事につながるはずもなく、模索する日々が続いた。「写真を仕事にする必要もないかな」そう思う日もあった。

だけど今、こうして企業から繰り返し声を掛けていただけるようになったのは、諦めずに続けてきたからだ。

そして、マッキーマジックだったからこそ、続けてこられたのだと思う。


横浜でのロケ実習。撮影技術だけでなく、現場でどう考えるかを伝える実習講師としても、頼られる存在です。

今、これを読んでいるということは、少なからずこの世界に興味を持っているのだと思う。

もしかしたら、受講しようか迷っているのかもしれない。決断するための何かを探しているのかもしれない。

私は、
「やった方がいいですよ」
「後悔しませんよ」
などと簡単に言うつもりはない。

マッキーマジックは現在5期までを終え、回を重ねるごとに講座の内容も濃く、進化してきた。

私自身、受講生をフォローする側になってからも、新しいことをしっかり学ばせてもらっている。そして今では、期を越えた卒業生同士のつながりも生まれている。

私には、メンバーは「同業者」というより、ひとつのチームのように感じられる。

誰かの写真が展示されれば見に行く。
一緒にマッキーさんのアシスタントをすることもある。

お互いの写真を尊重し、アイデアを出し合い、困ったときには相談できる。

マッキーマジックは、そんな居心地のいい場所でもある。

先日、マッキーさんから「トッププロ」の認定書をいただいた。

それに恥じないよう、これからも真摯に取り組んでいきたいと思う。

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